利き手の違いにより、同じ楽器でも弾き方が異なることがあります。
今回は、いろんな楽器における利き手の違いからくる演奏の仕方を紹介していきます。
鍵盤楽器
鍵盤楽器における利き手による弾き方の違いは、個人の好みや練習の影響もありますが、一般的な傾向として次のような違いがあります。
- 右利きの場合:
- メロディーラインや主旋律を右手で演奏することが一般的です。
- コードや和音を左手で演奏することが多いです。
- 右手の指の動きが素早く、細かい音符を演奏するのに適しています。
- 左利きの場合:
- メロディーラインや主旋律を左手で演奏することがある場合がありますが、右手で演奏することもあります。
- コードや和音を右手で演奏することが多いです。
- 左手の指がより力強く、重い音符やアクセントのある音符を演奏するのに適しています。
これらは一般的な傾向であり、個々の演奏者や楽曲によって異なる場合があります。また、演奏者が両利きの場合や、特定の技術を身につけるために逆手を使う場合もあります。
利き手で弾き方が異なる鍵盤楽器の例
ピアノ:ピアノは両手を使って演奏しますが、右利きの場合、通常は右手でメロディーを演奏し、左手で和音やベースラインを演奏します。一方、左利きの場合は逆になります。しかし、左利きのピアニストが右手でメロディーを演奏する場合もあります。
アコーディオン:アコーディオンは通常、両手で演奏しますが、左右のボタン配置は右利き向けに設計されています。左利きの演奏者は通常、右手でメロディーボタンを操作し、左手で和音ボタンを操作しますが、左利き向けのアコーディオンもあります。
シンセサイザー:シンセサイザーは両手で鍵盤を演奏しますが、一部の演奏者は左手でメロディーを演奏し、右手で音色やエフェクトを操作します。左利きの演奏者は、この配置を逆にすることがあります。
オルガン:オルガンは両手と両足を使って演奏しますが、左利きの演奏者は、通常は右利きのプレイヤーよりも左手で主旋律を演奏し、右手で和音や装飾音を演奏します。
ピアニカ:ピアニカは一般的に両手で演奏されますが、メロディーを演奏するために片手を使うことがあります。左利きのプレイヤーは、右利きのプレイヤーとは逆の手で演奏することがあります。
ハーモニウム:ハーモニウムはポンプで風を送り、鍵盤を演奏する楽器です。左利きの演奏者は、一般的に右手でポンプを操作し、左手で鍵盤を演奏しますが、右利きのプレイヤーも逆の手順で演奏することがあります。
弦楽器
弦楽器における利き手による弾き方の違いは、演奏者の利き手によって異なる場合がありますが、一般的な傾向として以下のような違いがあります。
- 右利きの場合:
- 右手で弦を弾いて音を出すので、右手が指先を使って弦をピックしたり、弦を弓で弾いたりする役割を担います。
- 左手は指板上で弦を押さえる役割を持ち、音の高さを変えます。
- 右手の動きが柔軟でリズム感がよく、メロディーやリズムの演奏に適しています。
- 左利きの場合:
- 一般的には、左手で弦を押さえ、右手で弦を弾くように演奏しますが、楽器や個々の演奏者によって異なります。
- 左利きの演奏者は、右利きの場合とは逆に左手でリードすることが多いです。
- 特にバイオリンやチェロなどの弓を使う楽器では、弓を持つ手(右手)が利き手によって演奏スタイルが異なります。
このように、利き手によって弦楽器の演奏スタイルには差異がありますが、個々の演奏者の好みや練習によっても異なることがあります。
利き手で弾き方が異なる弦楽器の例
ギター:通常、右利き向けに設計されたギターは、弦が右側にあるため、右利きの人が左手でコードを押さえ、右手でピックを使って弦をかき鳴らします。一方、左利き向けのギターは、逆に弦が左側にあるため、左手でコードを押さえ、右手でピックを使って弾きます。
バイオリン:通常、バイオリンは右利き向けに作られており、右手で弓を持ち、左手で指板を押さえて音を出します。しかし、左利きのプレイヤーは左手で弓を持って演奏することがあります。
ハープ:ハープは両手を使って演奏しますが、弦の配置は右利き向けにデザインされています。左利きの演奏者は、通常は右手でメロディーを演奏し、左手で和音を演奏します。
バスギター:バスギターは通常、右利き向けに設計されています。右利きのプレイヤーは左手でフレットを押さえ、右手でピックや指で弦をかき鳴らします。左利きのプレイヤーは、右利きのプレイヤーと逆の手順で演奏することがありますが、特に左利き用に設計されたバスギターも存在します。
コントラバス:通常、右利き向けに設計されています。右利きのプレイヤーは左手でフレットを押さえ、右手で弦をかき鳴らします。左利きのプレイヤーは、一般的に左手で弦をかき鳴らし、右手でフレットを押さえることがあります。
チェロ:チェロは通常、右利き向けに設計されています。右利きのプレイヤーは左手で弦を押さえ、右手で弓を持ちます。しかし、左利きのプレイヤーは逆になります。
打楽器
打楽器における利き手による演奏の違いは、楽器の種類や演奏技術によって異なりますが、一般的な傾向として以下のような違いがあります。
- 右利きの場合:
- 多くの打楽器では、右手が主にリズムを演奏する役割を果たします。
- ドラムセットやティンパニなどの打面を叩く楽器では、右手がハイハットやスネアドラムなどのリズムパターンを演奏することが一般的です。
- 左手は、シンバルやトムタム、他の打楽器の演奏に使われることがありますが、右手に比べてサポート的な役割が多い場合があります。
- 左利きの場合:
- 左利きの場合、左手が主にリズムを演奏する役割を担うことがあります。
- もし楽器がセットアップされていない場合や、逆手に使うことが難しい場合は、左利きの演奏者も右手で演奏することがあります。
- 左利きの演奏者が特別なセットアップを行い、左利き向けのドラムセットなどを使用することもあります。
打楽器の演奏においては、利き手による違いだけでなく、演奏者の個々の好みや練習によっても演奏スタイルが異なることがあります。
利き手で弾き方が異なる打楽器の例
ドラムセット:左利きのドラマーは、通常、右利きのドラムセットを逆さまにセットアップし、左手でハイハットやスネアを演奏し、右手でタムやライドシンバルを演奏します。
ドラムパッド:ドラムパッドは左右対称の場合が多いですが、特定のセッティングやプレーヤーの好みによって、左利きのプレイヤーが反転させることがあります。
ティンパニ:ティンパニは打楽器で、両手で叩いて演奏します。左利きの演奏者は、右利きの演奏者とは逆の手で演奏することがあります。
金管楽器
金管楽器における利き手による演奏の違いは、楽器の種類や演奏技術によって異なりますが、一般的な傾向として以下のような違いがあります。
- 右利きの場合:
- 多くの金管楽器では、右手が主に弓管(バルブやポンプ)を操作し、音の高さを変える役割を果たします。
- トランペットやトロンボーンなどでは、右手がバルブやスライドを操作して音程を変えます。
- 左手は主に楽器を支えるために使用され、演奏中にはあまり動かさないことが一般的です。
- 左利きの場合:
- 左利きの場合、楽器の構造によっては特別なセットアップが必要な場合があります。
- 左利きの演奏者が、特別な左利き向けの楽器を使用することもありますが、一般的には右利きの楽器を逆手で演奏します。
- 左利きの演奏者が逆手で演奏する場合、バルブやスライドを操作する手が逆になりますが、慣れれば同様の技術を習得することが可能です。
金管楽器の演奏においても、利き手による違いだけでなく、演奏者の個々の好みや練習によっても演奏スタイルが異なることがあります。
利き手で弾き方が異なる金管楽器の例
フルート:フルートは両手で演奏しますが、音を出すためのエンボシャーをどちらのリップで使うかで左右差が出ます。左利きの演奏者は通常、右手でキーやレバーを操作し、左手でエンボシャーを使いますが、これは個人の好みによって異なる場合があります。
ホルン:フレンチホルンなどのホルン楽器は、通常、右利き向けに設計されています。右利きのプレイヤーは右手でバルブを操作し、左手でベルを支えて演奏します。左利きのプレイヤーは逆の手順で演奏することがあります。
テナーサックス:テナーサックスは両手で操作しますが、通常は右手で親指を使って操作し、左手で指を使って音を出します。左利きのプレイヤーはこの配置を逆にすることがあります。
ティン・ホイッスル:ティン・ホイッスルは通常、右手で演奏されますが、左利きの演奏者は左手で演奏することがあります。これにより、音程やテクニックに若干の違いが生じる場合があります。
その他の楽器
ハーモニカ:ハーモニカは一般的に左右対称ですが、特定の調子のハーモニカを演奏する場合、左利きと右利きのプレイヤーが異なる手で演奏することがあります。たとえば、右利きのプレイヤーは右手でメロディーを演奏し、左手でハーモニカを持ち、それに対して左利きのプレイヤーは逆になります。
バグパイプ:バグパイプは通常、右利き向けに設計されています。右利きのプレイヤーは左手でドローンを操作し、右手でメロディーチャントを演奏します。しかし、左利きのプレイヤーは逆になります。